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2006年10月27日

連作24 寧連作07 まなかい

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 種別 連作系第24期 寧連作07
 題名 『 まなかい 』
 初出 ニフティサーブ/FJAMEA/18番会議室
    1997年05月14日03時11分
 注釈 行頭スペース+30W
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SUBJ:【寧連作】07 まなかい

 ST V.4.2 the Sibylline Books

 寧日を語るなら 丁寧よりも寧ろ激しく 寧連作 #07(B群)
 



           『 まなかい 』


                        作:しびる





  言葉にすると少し違うような気もするけれど いちばん近い言葉
 なら違和感 なんかちょっと変だ なにが変なのかわからない 普
 通の生活が毎日続いているだけ 別段変化のない毎日
  朝起きて平日なら仕事 休日なら昼前まで眠っている 夜になれ
 ばお風呂に入って それから仕事をしたりしなかったり 土曜日と
 日曜日を休日に決めて あたしなりの普通の毎日が続いている
  両親の残してくれた一軒家 仕事はしなくちゃいけないから在宅
 で 相続のときにお世話になった税理士さんに簡単な仕事を分けて
 もらって どこかの個人商店の記帳代行 家でできる仕事だ
  もうこんな生活が5年間 両親が揃って他界して 残されたあた
 しはひとりで暮らす 社交的じゃないから友達もいなくて 別に困
 らないから家にいる ちょっと買い物をしたり それくらいの外出
 はするけれど 基本的には家の中 あたしひとりテレビを見たり
  働いたお金は銀行に振り込まれる 電気代や水道代や税金は口座
 から引き落とされる 近所の機械でちょっとのお金を引きだしてき
 て それであたしの生活はどうにかなる もう大人だから困ったと
 きには電話して 家や電気製品の修理も依頼できる どうにかなる

  そんな毎日が普通に過ぎていたのに それがこのごろ少し変なの
 だ なにが変なのかわからない 細かいことは気にしないから か
 なり変になるまで気がつかなかった でも やっぱり変だった
  最初に気がついたのは些細なこと いつものように朝起きて な
 にか見ていた夢の続き どんな夢だったのか考えながら ああそう
 だ電話が鳴るんだと思った途端 電話が鳴った 間違い電話だった
  テレビを見ながら朝食を食べていた いつも見ている朝の情報番
 組 どこかで見たような場面 レポーターの女性が雨の中 強風に
 煽られて傘が揺れる ああ飛んじゃうなと思った途端 傘が舞った
  そんなことが少しずつ多くなる グラスが割れる 新聞の勧誘の
 人が来る 停電になる 牛乳が古くなっていて 階段を踏み外して
 冷や汗をかく 全部ちょっと前に気がつく 以前にこんなことがあ
 ったなあって いやほんの少し前にこんなことがあったって 気が
 ついて大丈夫なことや それでもダメなことが少しずつ増える
  予知能力だろうか 知らない間に超能力が身について そんなふ
 うに考えて少しドキドキしてみた それほど役に立つこともなくて
 も それでもこんなことってあるのかなあと不思議な気分 誰にも
 話さなけれど誇らしくて そんな感じの数日間が過ぎた

  数日が過ぎて気がついた 予知能力が苛々するくらいに重なりは
 じめて どんなことも前にやったことがある テレビを見ても前に
 見たことがある 歩いていても眩暈がしそうな感じ 少し未来のあ
 たしと頭の中が重なってしまったのか 我慢できなくなった そし
 て気がついた 誰もいない部屋にテレビがついていたからだ
  テレビを見ようと思ってキッチンからリビングへ 廊下の途中で
 男性の笑い声 なんだろうと緊張すればテレビの音だった 確か消
 してあったはずなのにテレビがついている 今つけたところだ
  確かにテレビを見ようと思っていた なぜかテレビの内容は頭の
 中に浮かばなくて その代わりにテレビがついていた 予知能力が
 なくなって遠隔操作の能力が身についたのか そう考えて納得した
 どちらかならこちらの方が役に立つ 家にいるだけなら事故などは
 考えなくてもいい ならば家事の手助けになる能力が便利だ
  寝室のドアが開いている 冷蔵庫の中のジュースがテーブルに置
 いてある 洗面所の水道から水が迸っている やろうと思った少し
 先に 見ていないところでもうできている 不思議と現場は確認で
 きないけれど そんなことは構わなかった 歩いていけば少しだけ
 手間が省けている ほんの些細なこと イスの位置とか照明とか

  そしてまた数日 夕食の買い物に行こうと玄関へ 開け放たれた
 ドアはまだ揺れている あたしの超能力が押し開けたのだろう 靴
 を履いてドアを閉める お隣の奥さんに会釈 そして睨まれた
  近所付合いは好きじゃない 挨拶くらいならするけれど なのに
 今日は睨まれてしまった 物凄い形相で化け物でも見るように そ
 んなに憎まれるようなことなんて 挨拶程度の付き合いでどんな誤
 解が生まれたのか 急に悲しくなって 買い物は辞めてしまった
  足早に玄関に入り そのままキッチンへと駆けていく 閉め忘れ
 たドアは音を立てて閉まる 座ろうと思ったイスは少し引かれてい
 た こんなところでも超能力 悲しくなってテーブルに突っ伏す
  あたしを憎んでいる人がいる もうそれだけで死にそうな気分だ
 なぜあんな顔で睨み付けられたのか どう考えても理由がわからな
 い その日はそのまま仕事もせずに考えていた
  他人の気持ちがわかればいいのに そう切に感じていた 今必要
 な超能力は読心術 お隣の奥さんの気持ち 夜も眠れずに天井を眺
 めて このまま眠り朝になって 目が覚めればわかるようになって
 いるんじゃないかって そう考えて眠れずに 何時だろう夜中にな
 っても考えていた あたしは超能力者なのに そしてなにか

  少しうとうとしていたのか 尿意に目が覚めて トイレに行こう
 と起き上がる すぐには動くのも億劫で そのままベッドに座って
 いた 癖になった超能力 あたしが行こうと思った先には まるで
 もうひとりのあたしがいるように もうひとりのあたし あたしの
 すぐ先を そう考えて身体中の血液が逆流した

  遠くトイレのドアの音 軋みながら開き そして音を立てて閉ま
 る 閉まる音 ドアの閉まる音だ 目が覚めて立ち上がり そのま
 ま歩いていけばトイレで用をたしている頃 でもあたしはまだベッ
 ドの上に座っている ドアは開き そして閉まった トイレのドア
 は閉まったのだ あたしがまだ入っていないのに 誰もいないトイ
 レのドアは閉まってしまった これは これは超能力じゃない

  もうひとりのあたし もうひとりのあたし 冷蔵庫を開けようと
 したほんの寸前に テレビを見ようとしたちょっと前に いすに座
 ろうと 水道の蛇口をひねろうと あたしが行こうとした少し前に
 もうひとりのあたし もうひとりのあたしが 誰かがこの家にいる
  お隣の奥さんの形相 まるで化け物でも見るようなあの顔 あれ
 はあたしを睨んでいたんじゃない あれは あれは恐怖に引きつっ
 た人間の顔だ もうひとりのあたし 奥さんはあたしを見たのだ

  廊下を静かに足音が ゆっくりとゆっくりと 息を殺して気配を
 感じさせないように 寝室の前で足音が止まり そしてゆっくりと
 ドアノブが回転しはじめる そろりそろりとドアが開く 薄暗い廊
 下に寝室の明かりが漏れる そこには そこにはあたしのようなも
 のが立っていた

  あたしと同じパジャマ 真っ白な顔には 目だけが光っていた










             》 しびる 《
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(のりこ)>あれですね ドッペルゲンガー もうひとりの自分
(しびる)>いつかやっとかなきゃと思ってたんだ このジャンルの
      キモはただひとつ どこまでそうとわからないように進
      めるか 超能力ネタを使ったのは苦肉の策かな
(のりこ)>まあ それに関しては成功してますかね タイトルだけ
      じゃなにを意味してるのは判断できないですし 自分で
      ばらすところまでは超能力で通用してますよ
(しびる)>もうちょい料理のしようもあったかもな 隣人の活用も
      イマイチ甘いし やっぱ一気描きは詰めが足りんか
(のりこ)>この頃のしびさんは 神懸かり的な執筆速度でしたから
      ねえ どうなってるんだろこのひと? っていつも思っ
      てました それを理由にしたくないでしょうけど
(しびる)>しちゃいかんわな 当時2時間で仕上げても こうやっ
      て10年後に同じ作品として扱われるんだし ものごと
      は吟味しながら慎重に進めなきゃいかんな
(のりこ)>理想ですねえ そうできれば完璧ですが
(しびる)>そゆこった
posted by 篠原しびる at 22:06| シンガポール ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 連作系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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